耐える事だって立派な選択肢でしょ。

2008-02-27 - reponの日記
http://d.hatena.ne.jp/repon/20080227#1204119760


すごい共感できる体験記。僕自身も結構アホみたいにどやされながら24時間体制で働いて、鬱5秒前とかよくやっちゃっているので、あの「あはははは」な気持ちもよくわかる。いや、もしかしたら本当はわかってないのかもしれないけど。

昔の話

それはさておき、これを読んでふと思い出したことがある。僕が昔働いてた会社でのITサービス系のプロジェクトの話だ。そこは客との関係も悪く、プロジェクトチーム内の雰囲気も最悪、仕事内容もとんでもねー雑用ばっかりで何でやってるんだかわからず、しかも予算オーバーしている状況であるため極めて長時間労働という、まあ「典型的な最悪最凶のデスマーチプロジェクト」という奴。でもう、社内にそんな評判が通っちゃっていたので、誰もそのプロジェクトに入ろうとしない。しかし、経営的には、人的資源を投入しないわけにはいかない。


経営陣の出した結論は、何も知らない新人の若い子を大量投入することだった。そのプロジェクトへの辞令は、OJTの名を借りた奴隷船にしか見えなかった。投入された子たちは、見る見るうちに表情が失われていくのがわかった。


彼らは、次々と声を上げていった。「こんなところではもうやってられない」「他の仕事に変えてくれ!でないと辞める!」「こんな身にならない仕事ではキャリアにならない!」ボロボロと抜けて行った。


その中で、1人だけ、プロジェクトを抜けない、と宣言した奴がいた。彼はこう言った。「僕は最後まで残ります。これほど大変な経験が出来ることなんて滅多に無いし、これに慣れればこの後一生『あの時はもっと辛かった』と言って頑張る事ができるから。」


彼は3年耐えた。3年後、見違えるほど成長した彼は、途中で抜けるという「合理的な」選択をした人たちを押しのけて、一番最初に昇進していった。いやホント大人で、人から何言われたってほとんどびくともしない強靭な人間になっていた。「仕事なんて、気の持ちようでなんとでも変わるよ」僕はうなった。うらやましい。

そして10年だよ10年

reponさんは、もっと強いと思う。多分いくら僕がバーカバーカ言っても、全然へこたれないと思うし、元記事のコメント欄のような揚げ足取りだって、別になんとも思わないだろう。


壮絶な環境に身をおくことって、人間を「すごい人間に」変えることなのよ。


だからね、

どこにも行くところがないから。キャリアも何もない30代に、どこに行くところがあるというのだろう?辞めさせられないだけましなのだろう。いつ肩たたきされてもおかしくないけれど。


もっと自信を持って欲しい


あのですね、僕は横から偉そうに言える立場じゃないし、reponさんを物理的に救えるような人間でもない。ましてやこんなこと言ったって「うるせーバカ」で不愉快な気分にさせるだけで終わるんじゃないかとも考えた。ただ、遠くから何か言えることだってあるだろうし、それがたまには役に立つかもしれないと思うから言ってみた。



まず、1つの会社に10年いることは間違いなくキャリアだと思う。その上、その10年で、とてつもない得がたい経験をしている。それは、希少価値である。だから、堂々とハロワでも人材紹介でも「俺ってこんなにすごいんだぜ」と言って欲しい。


首にならなかっただけましとかさ、ブラックいやだなー、そういう弱い心境になるのもわかるんだけど、多分、平気だと思うよ。わかんないけど。人が言う「合理的な選択」ってね、きわめて"短期的な視点"に立った合理性であることが多い。結局さ、「今つらいからつらくないことをする」ということが合理的である、と判断しているに過ぎない。2chでブラックブラック言ってる人はさ、そんな"合理的"な人間ばかりなのかも知れないじゃないの。*1


別にブラックに行けと言ってるわけではなくて、「自分で選んで、耐えるというものすごい選択をしたんだ」という強い気持ちで臨んで欲しいなあ、ということ。そしたらさ、どうやって自分を売り込んでやろうか考えたらいいのかもしれない。


別にさ、権利とか責任とかそんなことじゃなくて、自信もって売り込んでいく、ってことを、ゆっくり、じっくり、やっていけばいいじゃないの。

*1:そこはあくまで「可能性」だけど、、、