ビジネス書\(^o^)/オワタ


某大手書店のビジネス書フロアに行ってきた。最近ネットの書評で面白そうだなーと思った本が結構たまってきたので、立ち読みして良ければ買ってやろうと意気込んでいた。


目当ての本たちはすぐに見つかった。フロアのど真ん中の台の上か、各コーナーの棚に派手に平積みされていたからだ。照明をガンガン当ててカバーのきらびやかさをさらに演出する。ド派手な帯には紹介文と著者の写真。ページをめくると厚手の安っぽい紙にでっかい文字。目次を見て本文をぱらっとめくっただけで、どっかで聞いたことあるような話が並んでいるだけ。


もう削除されちゃったけど、オースペさんの話で、"スパムビジネス本"という言葉があったけど、まさにその言葉にふさわしい、マーケティングのためだけに作られた本たち。はあ


以下雑感

もはやビジネス書は消費財である


と、思う。本の内容がね、単に過去に出された名著の類を、部分的に抽出し、要約して中身を薄めて出しているだけなの。だからどっかで見たことあるような話だし、それほど役に立たない。系統樹的に言えば、分化はしているけど、進化してない。1冊の本から多くのものを吸収するには、あまりに投資対効果の比率が悪いものである。おそらく丸ごと読んだって、せいぜい30分程度、後に残るものは1つあれば十分、とかそんなレベルである。


そんなレベルの読書でも、メリットがある。短い時間でサラっと読んだ気になれる。そして、1つぐらいは何か役に立つものを得られたような気になれる。気軽に消費できて体にいい健康食品みたいなもんで、消費財と同じである。


だから、マーケティングで売ろうとするんだろうな。

もったいないよ!

そんな薄っぺらい本が氾濫しているのですが、これって、読書の楽しみをかなり奪ってしまっているんじゃないか?と思っている。


モンテ・クリスト伯という大傑作の長編小説を、要約して「少年少女版岩窟王」を作っているようなもんである。おいおいそこまで翻訳してあらすじだけ紹介したって、本来の意図とは違っちゃってて面白くないだろ。しかも、先に文学全集を読んじゃうと、あとからモンテ・クリスト伯を読んだときに、ある程度後ろがわかってて、初読に比べて衝撃が半減してしまうだろう。そんな無意味な抄訳なんてやめちまえ!


ということである。どうせ本を読むならさ、もうちょっと価値のあるものを読もうよ。。

ビジネスに従事する人間として、それでいいのか?


プロだったら入門書ばっかり読んでできたつもりになるな!ってことですね。自分にとって全くの異である世界を知るのに、入門書をひもといて研究するのはいいとして、自分がビジネスやってる人間なのに、そのような口当たりの良い消費財を消化するだけでいいんだろうか?


正直言って、これらの本が売れているという事実を「若者の方が本を読んでいる」という根拠として使っているんだとしたら、年寄りの味方になりたくなってしまうよ。

これを読めばいいんじゃないか


今日の本棚の光景を見て、「10年前に平積みになっていたのはどんな本だったのだろうか?そしてそれらはどのくらい今も並んでいるんだろうか?」ということを思った。


その意味では、良く探せば、10年前に出版されて、今でもひっそりと棚の奥におかれて、ゆっくりと版を重ねている名著があるはずである。それを読めばいい。


アナログメディアである書籍の場合、特に社会科学においては、かなり普遍的な内容を扱っており、10年はおろか、100年たっても通用するものは数多くある。そのように淘汰されて生き残った本を読めばいいと思う。


根本的な部分では、そんなに変わらないし、新しい技術的な部分、それこそGmailの使い方とかそんなレベルは、わざわざ本なんか買わなくてもウェブで十分かと。そんな意味では書籍もブログ級にグレードダウンしちゃっているのかなあ。書籍のデジタルメディア化、なんて言葉が思い浮かんだ。

本屋も商売なのわかるけど、、、


寂しいよなーと思った。そんだけ。

ビジネス書版お勧めリスト


国際政治小説のように、ビジネス書もこれだけ読んでおけば大丈夫!リストを作ろうと思う。これだけ言っちゃったんだからねえ。。でも後日。