ビジネス"消費財"本を読むぐらいならこれを読め

意外と本屋によって違っていたようで安心した。

まず前回のエントリの続きから。ぶっちゃけてしまうと、先日のエントリーで頭がくらくらするような光景に出会った本屋は、「三省堂書店神保町店」である。


今日オススメ書のエントリを書くにあたって、ちょっと調べ物をしようと、「丸善丸の内店」に行った。この本屋のビジネス書コーナーは、軽ーい本ばかりでもなく、おっと思うような本も平積みされていて、少し安心した。


本屋によって、だいぶ注目させたい本も違う傾向があるんだなあ、と今回つぶさに観察して良くわかった。いずれその辺の本屋ごとの色の違いについても何か書いたら面白いかもしれない。

"消費財本"たちの傾向

それでも、先日僕をくらくらさせたような薄っぺらい"消費財本"たちは、結構な数並んでいた。まずは、これら並んでいる"消費財本"たちのリストを作り、その傾向を見てみた。


ここに、実際本屋を見てきて、「こりゃひでーなー」と思った本20冊あまりの書籍リストがある。だらーっと並べてもいいけど、一応伏せておく。著者の名誉のために(そして降臨とか勘弁という意味で)。


で、これらの本の傾向を見てみたところ、大体5種類ぐらいに分類された。これらの分類を、情報のインプット、プロセス、アウトプットという仕事の段取り順に並べてみた。

  • インプット
    • 情報収集術:これはもうそのまま、どうやったら効率的に情報を集められるか?というテーマ
    • 個別機能の入門:「よくわかる!xx」シリーズのこと
  • プロセス(思考)
  • アウトプット
    • 書き方、話し方:どうやって相手に伝えましょうかねー
    • 心理ハック:交渉術とか、一発で気に入られる!とか相手に優位に立つ!とか


というわけで、これらの傾向ごとに、源流となるというか、「これ1冊だけ読んでおけばとりあえず大丈夫だろ!」という本を紹介しようと思う。(良くわかる!xxだけは、そのxxを1個ずつやってかなきゃいけないので今回は省略。そこで残る4カテゴリー分ということで。)

情報収集術

本を読む本 (講談社学術文庫)

本を読む本 (講談社学術文庫)

一言で言うと、「本を読む前に頭を使って考えろ、本を読みながら頭を使って考えろ、本を読んだら頭を使って考えろ」ということが書いてある。


このあたりの質問はしっかりおさえておこう。

  1. 全体として何に関する本か
  2. 何がどのように詳しく述べられているか
  3. その本は全体として真実か、あるいはどの部分が真実か
  4. それにはどんな意義があるのか


次点
アイデアのつくり方
ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法 (PHP文庫)

地頭系

まず、言っておく。「地頭力を鍛える」は、そんなに悪い本でもない。単なるフェルミ推定のやり方の解説書、というわけではなくて、思考・考え方のくせとか、具体論・抽象論の行き来とか、そういうところにも焦点を当てていて、よくよく読み込んでいくと、結構勉強になるところも多い。


しかし、この「地頭力」という言葉。これって、ちょっと前までは問題解決とか言われてたり、ロジカルシンキングとかクリティカルシンキングとかと言われていたものの焼き直しだよね。古い酒を新しい皮袋に入れる手法。


問題解決っていう全体のプロセスの中の、一部分だけを抜き出して地頭って言っちゃったので、「ふーん、だから何?」ってことになったのかなーと思っている。実際に商売をやる上では、具体的な施策に落とし込んでいかなきゃ駄目で、頭の中で考えているだけでは不十分というところが出ちゃったのかなーと。


というわけで、問題解決全体にわたる本としてはこれ

問題解決プロフェッショナル「思考と技術」

問題解決プロフェッショナル「思考と技術」

どうしても2冊から絞れなかった。

なんで問題解決・ロジカル本がここ10年わんさかと出てきちゃったかというと、すべて「問題解決プロフェッショナル」"不親切"な出来になっているから。そのため、この本の各章を丁寧に解説しなおしてあげるだけで、"ロジカル本"が一冊できちゃう。例えば、上記の地頭力に出てくる"フェルミ推定"についても言及はあるんだけど、ホンの1ページ程度でさらっと流されて書いてある。普通に読んでいたのでは、読み飛ばしてしまう程度の分量。


だから、本当はこの本が、3倍ぐらいの分量で書かれていれば、後の雨後の筍のような問題解決書は生まれなかったと思っている。そういう本。


ただまあ、確かにわかりにくい本なので、複眼思考を鍛えるためのトレーニング方法が徹底的に並んでいる「知的複眼思考法」も本当にお勧め。まずは、なんとなく"当たり前"だと思っていることを疑って、本当はどうなんだ?と考えること。これが複眼思考。視野を広く持ち、当たり前を疑うこと。これをひたすら繰り返す。




次点
論理思考と発想の技術 (PHP文庫)
失敗を生かす仕事術 (講談社現代新書)

心理ハック系

特に、この手の本に結構うんざりしている。このあたりののマニュアルでがちがちに固まったコミュニケーションをしてくる人を逆に信用できないなーと思ってしまうのは僕だけでしょうか。。。


というわけで、逆に「だまされないために!」という銘打ち方で出しているこの名著



影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか




これはすごいよーいつの間にか第2版が出てたんだねー。もう余計な解説はいらないから読め!って感じですよ。


次点は無し。このジャンルではこの本が強すぎる。

書き方、話し方

話し方入門 新装版

話し方入門 新装版


さらに言うと、もうこの本を読むまでもない。話すとか、書くとかは全部


100回練習しろ


以上、って話である。この手のテクニックは、本でもネットでも枚挙にいとまがない。それらに共通してさ、最後に必ず「練習しろ!それが一番大事だ」って書いてあるのね。だったらもうその前の1-9はいらないじゃん。結局全部"練習しろ"で終わりでしょ、と常に思っていた。


で、結局50年以上前に書かれた本でも"練習しろ"って書いてあるの。これはもう練習(リハーサル)するしかないよねー。


次点

理科系の作文技術 (中公新書 (624))
あなたの話はなぜ「通じない」のか (ちくま文庫)

共通のもの

とにかく、ここに挙がっている本はとっても大事なので、最低でも10回は読むべきだと思う。

読んで、ちょっとした文章のカタマリごとに、一回本を閉じて考えてみる。書き写してみたり、思考をメモにとどめていく。そうして、本を血肉にしていくと、結構すごいことになるんじゃないかなーと勝手に思っている。僕もまだまだ分かってない部分があるので、今回これを書いたのを機に、もう一回読みなおしてみるよ。。


ちなみに僕の読書法は・・・と言いだすと長いので、また次回。